ディスカッション


未来世界を哲学する―環境と資源・エネルギーの哲学)
未来世界を哲学する
環境と資源・エネルギーの哲学


〈自己完結社会〉の成立(上)
上柿崇英著


〈自己完結社会〉の成立(下)
上柿崇英著

環境哲学と人間学の架橋(上柿崇英 
/尾関周二編)
環境哲学と人間学の架橋
上柿崇英/尾関周二編


研究会誌『現代人間学・
人間存在論研究』

   

用語解説

   

〈人間〉、〈社会〉、〈自然〉の三項関係 【にんげん、しゃかい、しぜんのさんこうかんけい】


 「ここで重要なことは、独立した実体を伴って変容していく〈社会〉というものから、“主体”となる人間そのものを区別して考えるということである。その意味における人間を、ここでは限定して〈人間〉という形で表記しよう。そして「人為的生態系」としての〈社会〉に対応させる形で、自然生態系を〈自然〉と表記するとき、ここでの〈人間〉、〈社会〉、〈自然〉が相互にいかなる関係にあるのかという点に着目したい。そうすることで、われわれは人類史におけるそれぞれの特異点を、こうした“三項関係”の構造転換という視点のもとで分析できるようになるからである。」 (上巻 106



 人類史700万年における人間の存在様式をめぐる質的な変容を、「人為的生態系」としての〈社会〉の変容を通じて分析する枠組み。とりわけ、主体としての人間、「人為的生態系」としての〈社会〉、自然生態系という三つの要素がどのような関係性にあったか、またその関係性にいかなる形で変容していくのかについて分析したもの。

 人類史をマクロな視点で考察するとき、自然と社会の関係性に着目する場合と、自然と人間の関係生に着目する場合があるが、主体としての人間と「人為的生態系」としての〈社会〉を分けて考察するところがこの枠組みの特徴となっている。